「うちは、私以外は、美人の家系なんですよ」と言うと、「いや、あなただって・・」とアタフタ言われる方がちょいちょいあります。どうぞ、お気遣いなく。痛ましさが増量アップするだけですから。
これは、事実でして・・
見たらわかります!
母は旧世代のマドンナで、若い頃の写真ときたら昭和初期の映画に出てきそうな純白の美少女ぶり。今も、後期高齢者にはとても見えません。いわゆる美魔女。
祖母も通りすがりの人が振り返る美人でした。字が上手くて、淑やかで、内から匂い立つような。五十代の若さから未亡人でしたが、深山渓谷の花の風情のまま、独り身を通しました。
いまだに、母を「お姉さん?」と言う人がいます。私は小さいお婆さんか?気分悪いぞ。
妹は小さい頃は地黒のアホで、メンボばっかり作っていましたが、小学校の高学年にさしかかると、めきめき頭角を現し、モテモテ。
押入れ開けたら、どさどさどさーっとお土産物が雪崩て落ちてきたことがありました。キーホルダーとか、そんなようなもんばっかり。問い詰めたら「いろいろな男子からもらった」と。
「お返しは?したの?」「しない。こんなにたくさんお返しできないし」「いただきっぱなしはいけないってママが言ってたでしょ。お返しできないほどもらっちゃいけない」「私は欲しいなんて誰にも言ってない。みんな、くれたい気持ちだけなの!ありがとうって喜んでもらってあげるのが一番嬉しいの。お返しすればいいってもんじゃないっ❗️」
一理ある。もやっとするが。
東京で女子大生になってからの妹は、あちらこちらで、スカウト、スカウト。
魅力が発揮されてる時期で、いろんなアンテナに引っかかりやすかったのでしょう。様々なものに追っかけられておりました。変質者に追っかけられて、新宿から渋谷まで走って逃げたことも。まあ、たくましくなりますな。
結局、某事務所所属の女子大生モデルとなり、テレビや雑誌に登場してました。
そして、超有名な某ミスコンに事務所が勝手に応募したのが通過。東京代表として、本選出場となりました。
そうしてチケットが舞い込んできたわけです。家族席。
ところが、うちの家族は父も母も祖母も、そんなの行く気はさらさらなくて、シラーっとした空気感が充満。なんて恥ずかしい、はしたない、という感覚ですね。そんなの出るな、とまでは誰も言いませんでしたが、応援する機運はゼロ。もの固い片田舎の家の空気感と華やかなミスコンは、水と油だったんです。
なんか冷たい家族だな、と思ったのと、家族席のお得感&好奇心から、私は一人で会場に行ったのでした。
家族席はマスコミ席の真後ろで、私の前席にテレビ関係者が二人。時代はバブルの真っ只中。声の大きな太った男たちが、アクの強いあけすけな物言いで、品定めをしているのが面白くて、聞き耳を立てていました。
後ろの席の方々、盛大に言いたい放題。自分たちは汗っかきのデブのくせに。よくもまあ、赤の他人の女性の容姿にあーだこーだと言えるもんだわ。呆れます。でも、全く嫌な感じじゃないんですね。アホやなあ・・って感じ。すっごく嬉しそうだし。はしゃいで浮かれて喋っているので、聞いてて、結構楽しかった。
やっぱり、美人って心がウキウキするもんなんだな、いいもんだな〜としみじみしていたら、彼ら、結論が導き出されてきました。
「やっぱり13番が一番美人だな」
え。それは、私の妹ですが。
「そうだな。うん。確かに、いいよな」ともう一人の汗っかきも同意。
「あー、だけど、あれ、すっげえ性格悪そうじゃん?」
「・・だな!」爆笑
・・・もしもし、あなた達の真後ろにいるのは、すっげえ性格悪そうな美人の姉ですが。おいこら。
・・まあ、ねえ・・
内幕を知る身としては、まあ、色々と思うわけです。性格ね。性格。はい、はい。
だけどね美人美人って見た目で凌ぎを削ってる中で、最後にいきなり出てくる❓性格❗️
性格⁉️なんで❓
なんだかねー。。
終了後、妹に聞いてみました。
「感想は?」
「牛になった気持ち」
「牛?」
「売られていく牛になったみたい。身体中じろじろ品定め」
あー、なるほど。水着だしね。
「ねえ、ミスコンて優勝した子を祝福するポーズ強いけど、あれ、何?なんか怖いんだけど」
「あー、帰りの飛行機の中、凄かったよ。悪口大会」
そうだろ、そうだろ。。
「ねえ、お姉ちゃん」
いきなり矛先がこちらに向きまました。
「なんでダイエットしないの?」
なんでと言われましても。。私、美味しいもの好き、カフェ好き、料理好き。
「みんな、すっごい努力してるんだよ。お姉ちゃんは痩せるだけで美人になれる。それなのに、どうして何もしないわけ?なんか、ムカつくんだけど」
・・痩せるだけでって。
姉妹って、ある意味厳しい間柄なんです。
美人と一言で言っても、内実は様々。
ミスコンに出るような美人は、ある種のアスリート。野に咲く花じゃありません。みんな、めっちゃ努力して、しっかり作り込んでる。清々しいほど。
ごめんなさい🙇♀️私、パクパク食べてて、のんびり太ってて。それでも、まあまあ、中の上あたりの容姿で行けてて、向上心のカケラもなく満ち足りてる感じがムカつくわけね。素質に寄りかかって、努力しないで、精一杯生きてない❓悪うございましたっ🙇♀️
勢いに気圧され、申し訳ないような気分になり、違和感飲み込んで、うなだれてました。反論できなかった😓
今なら言えます🙋♀️ずいぶん、時間がたったけど💦笑
取り組みたい種目が違う。ただ、それだけ。
パンプス強制しないで。#ku tooの署名運動。じわじわ広がり続けていますね。
ふと、思い出しました。