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囲碁の風景5〜愛知県半田市にあった碁会所のお茶と換気とお手洗い『お手洗い』

どんなトイレでもご用が足せる人っていいなあ、と思い始めたのは、いつからだったか、記憶にありません。きれいなトイレじゃないと嫌とか、反対に、立派すぎるトイレは緊張するとか。そういうのって、弱いな、狭いな、と思い。

豪華なトイレでも、辺境の簡素なトイレでも、ビビらず、臆せず、ご用が足せる人っていいな、と。

辺境に行くとか、猛獣と戦う(滅多ない例えね)ような、外向きなチャレンジとは方向性が逆の、内向きなチャレンジに興味もあり。できる範囲でコツコツ自分の内なるチャレンジを繰り返していたのでした。

そんな私ですが、この碁会所のトイレには入らないと決心しました。

しょっちゅう、おじいさん達のトイレ待ち行列ができていたからです。碁会所はいつも満員で、トイレは1つでしたから。

自分の殻を破ることと、恥知らずとは違いますからね。劇場の男子トイレに集団で入るオバチャンじゃあるまいし。嫌だわ、恥ずかしい。

そして、悪臭が。

碁会所に行く時は、前もってトイレは済ませて行くことにしました。


席主は、毎日、片付けの時に、熱湯をトイレにバッシャーンっとぶっかけていたそうです。席主は大人にはほとんど誰にも心を開かない風でしたが、子どもは別でした。次第にうちの子は席主のお手伝いも自ら進んでやっていたらしい。つまり、うちの子が大きなやかんでお湯を沸かし、席主がぶっかける。

そんな風にしていた、と知ったのは、つい最近です。うちの子は、リアルタイムでは完全黙秘で、何年もたってから、実はあの時こうだった、と話すのです。

さらに、

女性が一人もいない時は、おじいさん達の大半が、トイレのドアを閉めず、開け放して使用するため、換気のために、近くの窓が常に少し開いていたらしい。

なにそれ‼️びっくり‼️

さらに、

誰かが大便をしたり、臭さがひどいと、席主はやかんのお湯を、ビシャーンとぶっかける。。っていうのをやってたらしい。

え❓そんなの、私、見たことない。一度もない。あー、見たことはないけど、そういえば、なんか、怪しい気配はあったわ。

それにしても

『トイレのドアを閉めましょう』は基本マナーでしょうに。幼稚園児か❓男同士ならいいだろ、と思ってるのかしら。ありえない〜。

しっかし、

年をとると子どもにかえると言うけど、子どもにかえっても外皮はおじいさん。叱りつけるわけにもいかないし。躾け直すこともできないし。お客さんだし。大体そんなことまで注意するの、嫌ですよね。キツいわ。席主ご自身だって、ほんとはおじいさんなのに。

席主、ほんとに大変だっただろうな。とあらためて思いました。しみじみ。

ところが、ヤンチャなおじいさん達も、私がいる時はトイレの扉を閉めていたから、私は何も知らずに、何年も通っていたのです。そういえば、なんだかいつもトイレの近くにいて、扉が開いていると席を立って扉をピチッと閉める、トイレ番みたいなおじいさんもいました。笑

女性がいると、自然に基本マナーが整っていたのですね。それは、小さな女の子でも。女の子が通うようになると、その子が来る曜日は基本マナーが整う。来ない日はゆるむ。年配の女性でも、整う。ただし、お一方、視力に問題のある年配の女性が来た日は、ゆるむ。見えてないからいいや、という甘えが出るのです。笑

そういえば、、

私の母が一時期碁会所に通った時がありました。うちの子に触発されて、私と二人で入門教室に通い、いろはのルールは楽しく学んだものの、そこから先、学びを深めていける場に出会えず、宙ぶらりん。実はこれ、囲碁あるあるなのですが。せっかくだから、学びたいと思ったのと、うちの子の月謝が安すぎて申し訳ないから、私と母も習って、お礼のトータル金額を加算したい気持ちもありました。

だって、当時うちの子が習っていたバイオリンが、ベテランの先生のマンツーマン指導、1レッスン30分(と言いつつ延長しがちだったが)月3回で12000円(年々上がる)。

囲碁は、子ども3000円。女性4000円。席主がマンツーマンでしっかり面倒みてくださり、次第に他の方とも打てるようにアシストしてくださりました。碁会所には元院生のおじいさんが数人。子どもは特別優遇されていて、碁会所の開いてる時間はいつでも来たいだけ来てよくて、居たいだけいてよくて、なんならお弁当持ちで、碁会所閉めた後も引き続き、席主と囲碁を打ち続けてもいい、という具合。詰碁、棋譜並べ、定石もしっかり。強いお兄ちゃんは囲碁フォーカスの懸賞問題、うちの子は囲碁関西の懸賞問題に毎月取り組ませて、応募しては、小さなプレゼントを受け取る楽しみを与えてくださりました。

囲碁は膨大な時間を要するので、時給換算する考え方だと、とてつもなく割りが悪い。こんなにも中身があるのに、月に3000円だなんて。義憤感じるレベルで、申し訳ないわ。東京なら5万円?8万円?くらいするんじゃないかしら。

子どもに、これは類稀な、貴重な機会だから一生懸命習いなさい、と話すと同時に、席主に時々お刺身やお菓子を持っていきました。子どもに、先生に好きな食べ物をお聞きして、と頼んだら、ステーキ!と。だから、ステーキを差し上げたこともありました。後から考えたら、ちょっとやり過ぎでした。うちの子は席主に誉をもたらす子どもじゃないし、物凄く手がかかる子なので、私としては、申し訳なさすぎて、何かせずにはいられなかったのですね。だけど、席主は基本的にモノをもらうのは好きじゃなさそうで、分けられるものは皆、碁会所の皆さまに分けてしまわれました。一度、うちの子がバイオリンの発表会で弾いた曲を、席主の前で弾いたら、目を細めて、聴いてくださりました。音楽には全く興味なさそうなのに。長い曲になったらアクビされたり、なんだかトンチンカンだった。笑

さて、

うちは、私以外は美人の家系。母は美人です。

母が行くようになると、碁会所のおじいさん達に静かな激震が走り、おじいさん達の服装が整っていきました。畑からそのまま来ていた汗だらけのおじいさんはステテコ姿で来ることをやめて普通の服で来るようになり、コタツから直行していた風のおじいさんはドテラ姿で来ることをやめて普通のジャケットで来るようになったのです。まあねえ、オシャレしてくる人はいませんが、おうちの延長線上だった方々が『普通』に昇格したのです。

囲碁好きな人は、心が自由でヤンチャなので、諭しても叱っても他人の言うことなんて全然聞きませんが、頭もいいし、気配に敏感だから、ご自身が『ヤバい』と思われたら、誰も何も言わなくても服装正して来るのですね。母は誰にも何も言わないけど、さっと目を伏せたり、すっと目を逸らしたりするだけで、おじいさん達にはグサッと刺さったのでしょうね。

この記事を書いた人
かめーご

おしゃべりしたい❣️小さな愛を隠し持ちながら。全力で喋り抜きたい❣️

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